【獣医師監修】致死率大!犬パルボウイルス感染症の症状や治療、予防法は?

この記事では犬のパルボウイルス感染症について解説しています。

犬パルボウイルス感染症とは

犬パルボウイルス感染症は、イヌパルボウイルス(CPV)によって引き起こされる感染症です。

イヌパルボウイルスには「CPV1型」「CPV2型」の二つのタイプがありますが、1型は病原性は低く、一般的に「CPV2型」によるものを「犬パルボウイルス感染症」と呼びます。

犬パルボウイルス感染症は、致死率・伝染性が非常に高く消毒・清浄化が困難であることが特徴です。

イヌパルボウイルスは、一般的な消毒薬に強い抵抗性を示します。清浄化するためには、このウイルスに有効な消毒薬である「グルタルアルデヒド系消毒薬」、「塩素系消毒薬」を使用する必要があります。

犬パルボウイルス感染症の症状

犬パルボウイルス感染症には、主に二つのタイプの症状があります。消化器系の症状を示す「腸炎型」、呼吸・循環器系の症状を示す「心筋炎型」です。

・腸炎型

*パルボウイルスに感染した子犬の血便

生後6~16週頃の子犬で発症が多くみられます。

このタイプでは、ウイルスによって腸陰窩細胞・リンパ組織・骨髄などが破壊され、激しい嘔吐・下痢(灰白色~黄灰白色)・粘液便・血便(トマトジュース様)・脱水症状などの症状が見られます。

放置した場合、90%以上の確率で発症から1~2日以内に死亡します。

・心筋型

母犬の子宮内、もしくは生後1〜2週間以内にウイルスに感染した場合にみられます。

このタイプの場合、2~8週齢頃になって突然呼吸困難や脱水症状を起こし、心筋炎を起こして死亡します。

ワクチンの普及により、新生子犬は母犬からの移行抗体を受けますし、妊娠犬が感染することもなくなりました。そのため、昨今では心筋型は稀になったと思われます。

犬パルボウイルス感染症の検査法

犬パルボウイルス感染症の場合、感染している犬の糞便中にウイルスが排出されます。

犬の場合は、それを利用して検査する「パルボウイルス検査キット」があります。

犬パルボウイルス感染症の治療

・対症療法が基本

現在のところ、犬パルボウイルスを直接倒すような薬はありません。しかし、人のインフルエンザの治療薬として知られる「タミフル」が、犬のパルボウイルスに有効性を示したというケースがあります。

そのため、一部の動物病院では犬パルボウイルスの治療薬としてタミフルを使用している所もあります。

しかし、現時点では犬での「タミフル」の研究結果に乏しく、対症療法が基本になります。

犬自身の免疫力を維持するために、インターフェロンの投与、また嘔吐や下痢により失われた体内の水分や電解質(ナトリウムや塩素などのイオン成分)を補給するための点滴治療や、腸内細菌による二次感染を抑制するための抗生物質投与などが行われます。

犬パルボウイルス感染症の予防法

・一番大事なのはワクチン接種

犬パルボウイルスは6種混合ワクチンで予防することが可能です

なお、犬パルボウイルスに対する免疫は、一度獲得するとほぼ一生涯にわたって継続すると言われていますが、万全を期すため、1年おきに追加のワクチン接種が推奨されています。

・予防のための注意点

犬パルボウイルスは、感染力が非常に強いため、感染している犬と接触する機会を作らないように完全室内飼いにするということが、予防には重要です。

また、多頭飼育をしている場合は、一匹が感染するとすべての犬に感染する可能性もあるため、それぞれの犬で個別にワクチン接種をしておくことが大切です。

まとめ

犬パルボウイルス感染症についてはこれで以上になります。

犬パルボは感染してしまうと治療が困難であり、非常に致死率が高く怖い感染症です。そのため、犬のコアワクチン(必須ワクチン)である6種混合ワクチンに含まれているのです。

そのため、子犬期はもちろん、成犬になっても混合ワクチンを年に一度受けることが予防のためにも重要です。

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