【獣医師監修】人にもうつる?犬の疥癬の症状や治療について

この記事では、犬の皮膚病である疥癬について説明しています。

犬の疥癬とは

犬の疥癬は、犬の体表に「イヌセンコウヒゼンダニ」という寄生虫が寄生することで、強い痒みや皮膚症状を起こす皮膚の病気です。イヌセンコウヒゼンダニは、季節や年齢、品種に関わりなく感染します。

*イヌセンコウヒゼンダニ

この皮膚病は、多数のヒゼンダニの寄生により大量のフケが出る「角化型疥癬」と、ヒゼンダニに対して体がアレルギーを起こす「アレルギー型疥癬」に分類できます。

アレルギー型疥癬は、犬に多いアトピー性皮膚炎に非常に類似した症状であるため、混同されてしまうことがあります。アレルギーの治療を受けても皮膚症状が改善しない場合は、疥癬が隠れているかもしれません。

また、イヌセンコウヒゼンダニは宿主特異性が高いですが、年齢・性別を問わず寄生して、すべての動物に罹患する可能性があります。人間に感染する場合もあるため、注意が必要です。

症状

感染が初期であったり軽度の場合は、紅斑性小丘疹(赤いポツポツ)や、わずかな脱毛、落屑(ふけ)、痒みを呈する程度です。

重症の場合は、角質増殖が顕著になって、昼夜を問わずに非常に強いかゆみを伴います。犬の体調や免疫状態、他の併発疾患の関与でも症状は変化します

*疥癬症の犬の腹部

検査

皮膚表面の角質層をメス刃などで掻き取り、それを直接顕微鏡で検査します。しかし、センコウヒゼンダニの検出率は高くありません(25%程度と言われている)。

症状の発現部位や、若い動物での発症が多いことと、痒みが著しいことなど、アトピー性皮膚炎との類似点が多くて、血清中抗原特異的IgEなどの検査で、コナヒョウダニやヤケヒョウダニに陽性反応が出ると、短絡的にアトピー性皮膚炎と診断してしまうことがあります。

疥癬でヒョウダニ類に交差して陽性反応が出ているのに、誤ってアトピー性皮膚炎の治療を開始してしまうと、抗炎症治療は、疥癬症の症状を著しく悪化させます。

治療

①殺ダニ剤

イベルメクチン(アイボメック)

200~400μg/kgを2週間間隔で3~4回注射、もしくは経口により投与を行います。

*イベルメクチンは、コリー、シェルティー、シェパードなどでは中毒を起こす場合があるため禁忌です。また、フィラリア感染犬への投与も禁忌なので注意が必要です。

かゆみの強い重症例では、イベルメクチン投与と並行してプレドニゾロンを2〜3日間用います。二次感染を考慮して、膿皮症で用いる抗菌薬を投与する場合もあります。

イベルメクチンの治療に反応した場合、角質溶解作用のあるシャンプーでフケを落とします。

②外用薬

セラメクチン(商品名はレボリューション)

6~12mg/kgを1ヶ月毎に2回以上滴下を行います。

2~4週間毎に3回治療すると、より効果的です。

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