【獣医師監修】愛犬が受けるべきワクチンの種類や値段、時期について

この記事では犬のワクチン(予防接種)について、種類や値段、また愛犬の飼育環境別の混合ワクチンの選び方について解説しています。

犬のワクチンの種類

まず、愛犬に必要なワクチンは「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」の二つがあります。

①狂犬病ワクチン

狂犬病を予防するためのワクチンです。

生後90日以降の犬は、狂犬病ワクチンを接種し、市へ登録する事が法律で義務付けられています。そのため、犬を飼い始めたら、まず動物病院にて狂犬病ワクチンを接種する必要があります。

一年目の狂犬病ワクチンが終わったら、その後は年に1回追加接種(主に4月〜6月)を行い、注射済票を飼い犬につけておく必要があります。

時々、狂犬病ワクチンを接種していない飼い主がいますが、万が一愛犬が他人や他犬に噛み付いてしまったときに大きなトラブルになりかねませんので、必ず接種しましょう。

*参考:厚生労働省の狂犬病ページ

②混合ワクチン

混合ワクチンは、犬の感染症を予防する事を目的としたワクチンです。こちらは狂犬病ワクチンとは異なり法律で義務付けられている訳ではありません。しかし、愛犬の健康の為に接種が推奨されるものです。

種類について

現在、混合ワクチンには複数の種類があり、飼い犬の生活様式によって接種するワクチンを選びます。

病院によって扱っているワクチンの種類は変わりますが、主に6種もしくは8種(10種)を扱っている動物病院が多いです。

接種するタイミング

子犬期

子犬が母犬の初乳を飲んでる場合は、6~8週齢頃に初回のワクチンを接種するのが良いでしょう。また初年度の最終接種は、母犬からの移行抗体が十分薄くなった16週以降に来るよう調整します。

一方、母犬の初乳を飲んでいない子犬に関しては、8週齢までの免疫力が非常に弱い状態にあります。IgG抗体を生成できるようになるのは4週齢頃からですが、副作用や個体差を考慮し、6週齢頃からスタートするのが一般的です。

子犬期の初回ワクチン接種後1ヶ月程度空けてから2回目のワクチン接種を行います。病院によっては3回接種を行う場合もありますが、2回接種すれば十分な免疫力が得られると考えられています。

成犬期

1歳以降は年に一回混合ワクチンを接種します。というのも、混合ワクチンの接種で得られた免疫力は1年ほど経過すると低下していく為です。

混合ワクチンを接種することでせっかく得られた免疫力も、放置しているとどんどん低下していきますので、年に一回の追加接種が推奨されます。

混合ワクチンで予防できる感染症の種類

混合ワクチンで予防できる感染症は以下になります。

①犬ジステンパーウイルス感染症

生後半年以内の子犬で感染しやすい病気です。

感染すると有効な治療法は無く、予後が非常に悪い(高い死亡率)ため、混合ワクチンで予防すべき最も重要な感染症の一つです。

元気・食欲の低下、発熱、鼻汁・咳・呼吸異常などの呼吸器症状や、下痢・嘔吐などの消化器症状、発作・顔面のケイレンなどの神経症状がみられます。

②犬パルボウイルス感染症

主に生後半年以内の幼犬で激しい下痢を起こす感染症です。下痢はトマトジュースのような赤い血便が見られることがあります。

パルボウイルスは消毒薬に強く、幼犬を多頭飼育する所(ブリーダーやペットショップなど)で最も恐れられている感染症の一つです。

幼犬で感染した場合は、死亡率が非常に高く、混合ワクチンで予防すべき最も重要な感染症の一つです。

③犬伝染性肝炎

犬アデノウイルス(1型)に感染することにより発症する病気です。感染している犬の分泌物や排泄物と接触することで感染します。

1歳以下の幼若犬では重篤な症状を示すことが多く、発熱、下痢、嘔吐、及び腹痛などの症状が認められ、最悪の場合には死に至ることもある感染症です。

また、重篤な症状を示した犬では、回復期に「ブルーアイ」と呼ばれる角膜の混濁が見られる場合もあります。

④犬伝染性咽頭気管炎

犬アデノウイルス(2型)に感染することで発症する病気です。

本感染症も犬伝染性肝炎と同様、感染した犬の分泌物・排泄物との接触や感染した犬の咳・くしゃみ・鼻水などの飛沫物によって感染します。

症状は発咳を特徴とする上部気道炎を示し「ケンネルコフ」と呼ばれる犬の風邪の原因の一つと考えられています。

⑤犬パラインフルエンザウイルス感染症

感染すると発熱、元気消失、鼻汁や咳などの風邪様の症状が出ます。

犬パラインフルエンザウイルス単独での感染が軽症の場合が多いですが、上記のアデノウイルス2型などと混合感染が起こると「ケンネルコフ」と呼ばれ、症状が重篤化する場合があります。

⑥犬コロナウイルス感染症

成犬が犬コロナウイルスに感染しても症状の出ない不顕性感染で終わることも少なくありません。

しかし子犬が犬コロナウイルスに感染した場合、下痢、嘔吐、元気消失、食欲減退などの症状が現れ、激しい胃腸炎を起こします。便はオレンジ色をおびた粥状で悪臭を放ち、血便となることもあり、ひどい場合には死に至ることもあります。

また犬コロナウイルス感染症は、犬パルボウイルス感染症と混合感染することが多く、その場合はより重篤な症状となり、死亡する危険性がより高まります。

子犬期でのワクチン接種による予防が重要な感染症の一つです。

⑦レプトスピラ感染症

レプトスピラという細菌により引き起こされる感染症です。

ネズミ等が細菌を媒介し、保菌動物の糞尿や汚染された土壌から、口や傷口などから感染します。レプトスピラは人獣共通感染症(動物から人に感染する病気)です。

このレプトスピラには250以上の血清型があり、病原性のあるものと無いものがあります。 犬で特定の血清型の病原性レプトスピラの感染が確定診断された場合、獣医師が家畜保健衛生所に届ける義務があります。

症状は、出血を伴う黄疸や腎機能障害、肝機能障害がみられることもあれば無症状のこともあります。飼い犬が感染している場合は尿中へ菌が排出されるため、飼い主へ感染する可能性があります。

田畑のあぜ道や野山をお散歩する子、キャンプに連れて行く子、ドッグランなど不特定多数のワンちゃんと接触の機会がある犬では、レプトスピラを含むワクチンを接種するのが良いでしょう。

*レプトスピラは7種ワクチン以上に含まれます。6種以下のワクチンには含まれません。

混合ワクチンの選び方

では、上記を踏まえて愛犬にどの混合ワクチンを選べばいいのでしょうか?

ここでは、おすすめの選び方を紹介します。

完全屋外犬の場合→8種以上の混合ワクチン

普段から外で生活している、野山や川によく遊びに行き、田んぼなどにも入る

そのような場合は、レプトスピラが含まれている混合ワクチンを選ぶのが良いでしょう。

屋内犬(日課の散歩程度)→6種混合ワクチン

上記の①〜⑥が含まれている6種混合ワクチンを選ぶのが良いでしょう。6種ワクチンはコアワクチンと呼ばれ、一般的に予防すべき感染症は全て含まれています。

屋内犬の場合はレプトスピラのリスクは非常に少ない為、含まれていなくても良いと思います。もちろん、心配であればレプトスピラが含まれている混合ワクチンを選んでも構いません。

犬のワクチンの値段

・狂犬病ワクチン:2000〜3000円程

・6種混合ワクチン:5000〜6000円程

・8種混合ワクチン:6000円〜7000程

*病院によって値段が変わります。気になる方は事前に動物病院に確認しておくのが良いでしょう。

まとめ

愛犬が接種すべきワクチンの種類はお分かりになりましたか?

混合ワクチンは法律で義務付けられていませんが、感染症を未然に予防するためには非常に大切です。

愛犬の健康維持のため、更には寿命を全うさせる為にも、毎年ワクチン接種をすることをおすすめします。

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